特定非営利活動法人バディチーム

【保育バカ一代】vol.14 嘘と裏切りの遊戯

私は嘘つきである。

たとえ相手が子どもでも平気で噓をつくし、約束も破る。

 

ある日、公園で5歳男児とかくれんぼをした。私が鬼だ。

 

男児「ぜったいにみないでよ!」

私「わかった、見ないよ」

 

私は両手で顔を覆って「いーち、にーい、さーん…」とかぞえながら、指の隙間から男児の行方を目で追った。そして、男児が向こうの草陰に隠れるのを確認して「きゅーう、じゅうー!」とかぞえ終えた。

 

私「もういいかーい!?」

男児「もういいよー!」

 

男児が隠れている場所はわかっているが、私はワザとわからないフリをして「あれ~?いないな~?どこだ~?」と違うところばかりを探した。そうやってウロウロしていると、やがて例の草陰からクックックという声が聞こえてきた。

 

そろそろいい頃合いだろう。私は男児の隠れている草陰にヌッと顔を出して「みーつけた!」と言った。

 

男児がニコニコしながら「むずかしかった?」と私に聞くので、私はヌケヌケと「うん、難しかったよ」と答えた。

 

私は「見ない」という約束を破り「難しかった」と嘘をついた。

 

それは勝ちたくてズルをしたわけでも、面倒くさくて手を抜いたわけでもない。

 

大人が数をかぞえる時に本当に目を閉じてしまうと、完全に子どもから目が離れてしまう。

 

そして、子どもは相手が大人だと「ぜったいにみつかるもんか!」と本気モードになり、より遠くへ、より死角へと向かう。

それは道路の向こう側かもしれないし、駐車場の車の陰かもしれない。

もしもこれで何かあれば「ちょっと目を離した隙に」では済まされない。

 

大人が童心にかえって子どもと遊ぶのは悪いことではないが、子ども目線で無邪気に遊んでいるだけでは大人の責任を果たすことはできない。

 

子どもと楽しく安全に過ごすためにも、どうか大人目線を忘れずに。

 


 


事務局スタッフ“しげさん”による温かく、時にユーモラスな保育エッセイ♪ 

過去の記事はこちらからご覧ください!

 

▼vol.1 「北斗の拳」と見守る心

▼vol.2  涙の理由(わけ)

▼vol.3 子ども騙しが子どもに通じなかった件

▼vol.4 送迎バスの思い出

▼vol.5 中国からきらSちゃん

▼vol.6 子どもと発熱とノートPCと

▼vol.7 Tくんと謎のマジシャン

▼vol.8 冬休みなので映画の話をしよう

▼vol.9 涙のキッズ もう一度

▼vol.10 たのしい子守唄

▼vol.11 言い方についてのお話

▼vol.12 やめよう、歩きスマホ

▼vol.13 プロに勝った主婦のチャーハン

 

 

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