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コラム
2022.06.20
【保育バカ一代】vol.3 子ども騙しが子どもに通じなかった件
数年前のある日、訪問先のお宅でFくん(当時3歳)からこんな質問をされた。
「雪はどうして降るの?」
私はしばらく考えて、Fくんにこんな話をしてみた。
「雲さんが雪を降らせてくれるのは、みんなが喜ぶからだよ。雪が積もれば町がきれいな雪景色になるし、楽しい雪遊びもできるからね。」
私は子どもの目線に立って答えたつもりだったが、Fくんは怒ってこう言った。
「そういう事じゃなくて!」
一体何がマズかったのだろう?私が困惑していると、台所にいたお母さんが話を聞きつけてこちらにやってきて、Fくんにこう言った。
「空に昇った水蒸気が水や氷の粒になって、それが集まって雲になるの。だから寒いときは雪が降って、暖かいときは雨が降るのよ」
実にストレートな説明である。さすがにそんな難しいことは3歳児にはわからないだろう、と私は思った。しかし、Fくんは納得した表情でこう言った。
「そうなんだー」
詳しいことは理解できなくても、物事にはちゃんと理由があるということがわかったおかげで、Fくんは気持ちに区切りがついたのかもしれない。
私は子どもの質問を文字通り子ども扱いしてしまい、Fくんのことを怒らせてしまった。しかし、お母さんは子どもの質問に真剣に答えることで、Fくんの探求心に着地点を与えたのだった。
このときのFくんとお母さんのやりとりは、子どもの「なぜ?」にきちんと耳を傾けることの大切さを私に教えてくれた。
…ここまで書いてふと思ったが、Fくんが本当にお母さんの話を理解していた可能性もあるだろうか?(未来の気象予報士!)
事務局スタッフ“しげさん”による時に温かく、時にユーモラスな保育エッセイ♪
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