特定非営利活動法人バディチーム

【保育バカ一代】vol.2 涙の理由(わけ)

私は泣く子が好きだ。「この子は人見知りする」「うちの子は男性が苦手」などと言われるとワクワクする。泣き止まない子どもを抱っこしてあやすのは至福の時間だ。しかし、そんな私でも子どもの泣く理由がわからない時がある。

 

2歳と0歳の兄弟のいるお宅の支援。週2回の1日2時間で、内容はお兄ちゃんを公園へ連れていくこと。ヨチヨチ歩きができるようになった弟くんは、私が訪問するといつも大泣きした。きっと私に対する人見知りだろうと思った私は、毎回お兄ちゃんを連れてそそくさと家を出たものだった。

 

ところがある日、お母さんが「下の子も公園へ連れていってあげてください」と言うので、私は「え?」と思った。連れていくのは構わないが、あれだけ人見知りで泣いている弟くんを連れていったら、分離不安も加わり大号泣の阿鼻叫喚となるのではないか…心配になった私は弟くんを見た。そして驚いた。

弟くんはニコニコ笑っていた。すでに靴を履いてベビーカーに乗り込み準備万端で、まるで「はやく行こうよ」と言わんばかりに満面の笑みを浮かべていた。

 

いままで弟くんが泣いていたのは人見知りではなかった。弟くんは一緒に行きたかったのだ。あの涙は「おじさんキライ!こないで!」ではなく「にいちゃんばっかりズルイ!ボクもつれてってよ!」と訴えていたのだ。

 

お母さんは初めから弟くんの気持ちを知っていたのかもしれない。おそらく安全を考慮して、先にお兄ちゃんを私に慣れさせてから弟くんも一緒に行かせるつもりだったのだろう。私は弟くんのことも任せてもらえることが嬉しかったが、弟くんの気持ちを全然わかっていなかったことが恥ずかしかった。

 

子どもの人見知りを恐れてはいけないが、安易に人見知りと決めつけるのもやめよう。公園で嬉しそうに歩き回る弟くんを見ながらそう思った。

 


 

事務局スタッフ“しげさん”による時に温かく、時にユーモラスな保育エッセイ♪ 

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