特定非営利活動法人バディチーム
寄付する
コラム 2023.06.23

【保育バカ一代】vol.13 プロに勝った主婦のチャーハン

昔テレビで見た料理番組の内容を、今でもよく覚えている。

それはプロの料理人と専業主婦による、冷蔵庫の余り物で作る炒飯対決だった。

 

先攻のプロは、ハムや卵やネギを使用した王道の炒飯を作った。家庭の火力でもパラパラに仕上げた腕前はさすがプロで、審査員たちにもうまいうまいと大好評だった。

 

次に、主婦が作った炒飯を見た審査員たちはビックリした。その炒飯にはナスがたくさん入っていたのだ。プロも「ナスは水分が多いので炒飯には向かない」と疑問を呈したが、審査員たちは実食してさらにビックリした。

 

「うまぁー――――い!!」

 

うまさの秘密は、あらかじめナスを油で揚げておくことだった。

 

対決の結果は満場一致で主婦の圧勝となった。

敗れたプロも「あの方法は思い浮かばなかった」と主婦を称えた。

文字通りプロ顔負けのナス炒飯だった。

 

主婦の勝利は「家族においしく食べてもらいたい」という日頃の思いがつかんだものだろう。我々の事業でも、プロの肩書きを持たない人(調理師免許を持っていない人、調理の仕事が初めての人など)が利用者さんとその家族のために、真心を込めて料理を作っている。

 

おいしいと言ってもらえることが嬉しい、もっと喜んでもらえるようにがんばろう、そんなひとりひとりのプロに負けないプロ意識によって、この事業は支えられている。

 

私の担当は料理ではなく保育だが、気持ちは同じだ。

保育園で働き始めた頃はまったくの初心者だったが、早く子どもや保護者から信頼されるようになりたくて、毎日先輩たちの仕事を見ながら必死に仕事を覚えた。もっと保育がうまくなりたい、もっと子どもを理解したいという気持ちは、今もあの頃と変わらない。

 

「資格や経験がなくてもできる仕事」とは、誰でも簡単にできる楽な仕事という意味ではない。

本気でやってみたいというチャレンジ精神は、きっと資格や経験に負けない武器になる。そういう意味だと私は思う。

 

 


 


事務局スタッフ“しげさん”による温かく、時にユーモラスな保育エッセイ♪ 

過去の記事はこちらからご覧ください!

 

▼vol.1 「北斗の拳」と見守る心

▼vol.2  涙の理由(わけ)

▼vol.3 子ども騙しが子どもに通じなかった件

▼vol.4 送迎バスの思い出

▼vol.5 中国からきらSちゃん

▼vol.6 子どもと発熱とノートPCと

▼vol.7 Tくんと謎のマジシャン

▼vol.8 冬休みなので映画の話をしよう

▼vol.9 涙のキッズ もう一度

▼vol.10 たのしい子守唄

▼vol.11 言い方についてのお話

▼vol.12 やめよう、歩きスマホ

この記事をSNSでシェア

【保育バカ一代】vol.29 あなただけ見つめてる

コラム 2024.11.25

【11月12月】子育てパートナー募集説明会のお知らせ(オンライン)

お知らせ 2024.11.22

【イベントレポート】みんなでバディミーティング第1回を開催しました

講座・イベント 2024.11.21