【6月7月】子育てパートナー募集説明会のお知らせ(オンライン)
お知らせ 2025.06.10
【終了報告】日本財団助成「訪問型養育支援強化事業」
バディチームでは、2022年4月から2025年3月までの3年間、日本財団の助成を受け、「訪問型養育支援強化事業」を実施しました。
制度の狭間に孤立し、社会的とりこぼしを防ぐ取り組みとして、「家庭訪問型養育支援」「他団体・多職種による情報共有・事例検討会」「関連団体とのネットワークの拡充」「報告会(オンラインイベント)」などを行いました。
→2022年度の中間報告はこちら!
→2023年度の中間報告はこちら!
この3年間、さまざまな事業を通して、多くの気づきや学びを得ることができました。ご協力いただいた関係機関の方々、支援の現場に関わってくださったすべての方々に心より感謝いたします。
今回はその中から、バディチームの活動の主軸でもある「家庭訪問型養育支援」の振り返りと、2024年度に実施した事業の終了報告をお届けします。
制度の狭間にある家庭への訪問型支援を通じて
「家庭訪問型養育支援」は、既存の制度や支援につながっていない、または支援が不十分な家庭を対象に、民間機関と連携して支援を届けるモデル事業として実施されました。
通常、私たちの訪問型支援は、子ども家庭支援センターや児童相談所といった公的機関からの依頼を受けて始まります。しかし、この事業では、民間団体や個人の方々から寄せられたご相談をきっかけに支援の検討を行いました。
今回連携した機関は「フードバンク」「こども食堂」「特別支援教育機関(民間の学校)」「地域活動支援センター」「宿所提供施設(DV避難対応)」などです。
これらの団体が日々の活動の中で出会った心配な親子に対して「家庭を訪問して、保育や家事のサポートをしてもらえないか」とご相談いただいたことが、支援のきっかけとなりました。
支援を必要とする家庭の背景は実にさまざまです。
ひとり親世帯、保護者や子どもの心身の不調、病気や障害により生活が困難になっている家庭など、いずれも心配な状況にありながら公的支援に繋がっていない、あるいは十分な支援が届いていません。
たとえば、
- 「自治体のひとり親支援制度が適用されない」
- 「DV避難中で住民票がないため、公的支援につながりにくい」
- 「保護者が疲弊しきっていて、子どもに向き合うことが難しい」
- 「難病を抱える子のきょうだいに支援が届かない」
- 「不登校で食生活が心配される子どもたち」
- 「夜間、一人で過ごす子どもたち」 など。
こうした“制度の狭間”にいる家庭に、私たちは柔軟なアプローチで支援を届けてきました。
具体的には、「子育てパートナー」が家庭を訪問し、保育、掃除や片付け、食事づくり、遊び、学習支援、送迎などを一定期間行います。
その後、少しずつ状況が変わっていく中で、必要に応じて公的支援や地域の社会資源につなげていくところまでサポートすることもありました。
また、「夫婦間のコミュニケーションサポート」や「子どもの声を聴くためのツール活用」といったバディチーム独自の取り組みにも力を入れてきました。
中には、過去に行政窓口でつらい経験をし、公的支援に不信感を抱いてた方が、子育てパートナーとの関係を通じて心を開き、前向きに制度を利用できるようになったケースもあります。
こうした経験から、民間との連携が公的支援への橋渡しに重要な役割を果たしていることを実感しました。
訪問した家庭からはこんな声をいただきました。一部ご紹介します。
- 子どもたちが楽しそうに笑っている声を聞いて、無邪気さを見られました。子どもらしさの大切さをずっと我慢させていたのかなと思いました。のびのびとした二人の様子を見守ってくれてありがとうございました。私も一人の時間ができて、すごく息が吸いやすくなりました。
- 幼稚園にお迎えに行って、そのまま遊んでいただけて大変助かりました。スタッフの方々は皆、親切で、子どももバディさんと遊べる日を楽しみにしていました。
- 通常は頼みづらい夜に来ていただいたこと、子どもをお風呂に入れていただけたことなど、区のサポートではやってもらえなかったので助かりました。夫婦の問題にも向き合っていただきありがとうございます。Aさん(スタッフ)と主人と3人で話をしたときから、関係は良くなっています。会話も以前より増えました。ありがとうございました。
日本財団による助成期間は終了しましたが、今後も皆さまからの寄付を活用しながら、“制度の狭間”にある家庭への支援を継続していきます。
私たちの活動は、皆さまのあたたかいご支援によって支えられています。引き続き、変わらぬご理解とご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
2024年度 実施事業
1.他団体・多職種による情報共有・事例等検討会
インタビュー形式で3つの団体からお話をお聞きました。
▼ vol.10 認定NPO法人フードバンク渋谷
▼ vol.11 NPO法人第3の家族
▼ vol.12 一般社団法人こども宅食応援団
2.家庭訪問型養育支援の実施と継続のための整備
上述の訪問型支援に加えて、この助成期間終了後もこの取組みを発展的に継続するため、現場支援者の研修、広報活動のためのチラシの作成、また支援の要である「コーディネーター」について、団体の内外で人材を確保・育成するためのガイドライン案も作成しました。
▼家庭訪問型支援の実施
▼現場支援者研修の開催
▼広報活動のためのチラシの作成
▼コーディネーターマニュアルの制作
【家庭訪問型子育て支援におけるコーディネーターガイドライン草案】
第1部: 2023年度に実施・制作したコーディネーターに対するヒアリング調査の報告書を、実践的に活用しやすいよう簡素化・再編集
第2部 :「制度の狭間」にある家庭に対する支援におけるコーディネーターの役割、制度事業の場合との違い
3.関連団体とのネットワークの拡充
前年度から継続したメンバー構成での連絡協議会を計9回開催。今年度はネットワークの拡充を見据え、地方での実践例を知るという位置づけで、各団体が推薦する民間団体や行政機関にゲストスピーカーとしての参加を依頼し、地域での 実践例の紹介後、活発な意見交換を行いました。
全体としては、地域格差が大きく、訪問型支援の供給が圧倒的に不足している状況を再認識したものの、運営上の工夫など参考になることもあり、地方の実情を知る貴重な機会となりました。自治体職員にも参加いただき、 自治体の運営体制の理解にもつながりました。
今年度は限られた地域の実践報告となりましたが、次年度以降は全国の実践団体のリストをもとに広報し、ネットワークの拡充に具体的に取り組んでいく予定です。
【連絡協議会の構成メンバー】
認定NPO法人ホームスタート・ジャパン
NPO法人日本子どもソーシャルワーク協会
認定NPO法人バディチーム
4.最終報告会の開催と報告レポートの配布
2025年3月8日、最終報告会としてオンラインイベントを開催し、全国から約100名の方にご参加いただきました。
▼イベントレポート
【イベントレポート】官・民・地域住民の協働による家庭訪問型支援の多様性と可能性~制度の上でも、制度の狭間でも、子どもと親を支えるために~
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