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お知らせ 2025.05.15
【開催報告】内部研修『里親家庭支援トークセッション』
3/20(木・祝)、子育てパートナーと事務局スタッフを対象に内部研修「里親家庭支援トークセッション~里親家庭の理解者を増やし、多様な家族が暮らしやすい地域を作るために~」を開催しました。
今回は会場参加とオンラインでのハイブリッドでの実施です。
第一部、第二部の二部制で行い、社会的養護が必要な子どもたちについて理解を深めるとともに、里親制度の現状や支援のあり方、多様な家族が暮らしやすい地域について考える機会となりました。
第一部:里親制度から考える ~社会的養護が必要な子どもたちと里親家庭~
第一部では、社会福祉法人二葉保育園 二葉乳児院「二葉・子どもと里親サポートステーション」の中村智美さん(里親リクルーター)と長谷川優子さん(里親委託等推進員)より、社会的養護のもとで暮らす子どもたちの現状や、東京都の養育家庭制度(里親制度)についての説明をしていただきました。
図を用いた解説により、里親制度の仕組みや意義がわかりやすく伝えられました。
続いて、里親登録4年目の養育里親さんによる『体験発表』が行われました。
里親子としての生活や、社会の認知が十分に進んでいないことによる大変さなど、実際の経験を通してのお話を伺いました。
具体的なエピソードからはさまざまな苦労も垣間見えて、里親制度がまだまだ理解されていない現状を知ることができました。
第二部:みんなで子育て ~社会的養護が必要な子どもたちを社会で支えるために~
第二部では、中村さん、長谷川さん、養育里親さん、そしてバディチーム代表の岡田が登壇し、「これからの社会的養護(社会的養育)に期待すること、それぞれの立場からできること」をテーマにクロストークを行いました。
参加者も交えた意見交換が行われ、社会全体で子どもを支えるためのさまざまな視点が共有されました。
参加者アンケートから、一部をご紹介します。
- 里親制度の説明がわかりやすく、体験談もとても貴重でした。クロストークでは、さまざまな立場からの意見が聞けて、多角的に考えることができました。
- 社会的養護が必要な子どもたちを支えるために、どのような仕組みがあるのかを知ることができました。支援したい大人は多いはずなのに、情報が十分に届いていないと感じました。
- 子供の福祉にまつわる経験ゼロの私にとっては、毎度リアルな話を聞く度に驚きと発見があります。今回はより子供と親密に関わる里親さんの話を聞いて、非常に尊い仕事、人生もあるのだと 思いました。
その一方で家庭の内外での苦労も垣間見え、決して誰にでも出来る事ではないと感じました。その為の里親家庭支援の重要性を強く感じました。 - バディさんで活動させていただいていると幸いにも社会的養護に理解のある人たちに囲まれていますが、一般社会ではまだまだ理解されていない状況が存在しているということも知ることができました。
里親さん同士、里子さん同士など同じような経験を持つコミュニティの互いを支え合う力と、社会全体での理解との共存がかなう日々になったらいいなと思います。
社会全体で支える意義と地域住民ができること
社会的養護が必要な子どもたちは、さまざまな事情により親元で暮らせない状況に置かれています。その子どもたちが安定した生活環境の中で暮らせるために里親制度は重要な役割を果たしています。しかしながら、里親家庭の数はまだ十分とは言えず、制度の認知度向上や地域社会の理解が求められています。
合わせて、バディチームが実施している里親家庭への支援も必要だと思っています。
里親さんには、里親さんならではの大変さがあります。
「里親を増やすと同時に、里親になった方を支える」
そんな両輪の支援が重要です。
そして、私たち一人ひとりができることとして、まずは「知ること」も大切な一つではないでしょうか。
里親制度や社会的養護の現状を理解し、機会があれば周囲にも伝えていく。小さな行動の積み重ねが子どもたちを支える一歩になっていくと思います。
バディチームでは今後も里親支援機関と連携をしながら、里親子が安心して生活ができる環境づくりを地域社会全体で取り組んでいきます。
貴重なお話を聞かせていただいた登壇者の皆さま、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
▼ 社会福祉法人二葉保育園 二葉乳児院「二葉・子どもと里親サポートステーション」
【社会的養護とは】
保護者のいない児童や、保護者に監護されることが適当でない児童を、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うことです。
社会的養護は、「こどもの最善の利益のために」と「社会全体でこどもを育む」を理念として行われています。
全国で約42,000人、東京都では約4,000人の子どもがいます。その内、約8割が施設養育、約2割が里親家庭のもとで暮らしています。(出典:こども家庭庁)