【2月3月】子育てパートナー募集説明会のお知らせ(オンライン)
お知らせ 2025.02.06
渋谷のラジオ「虐待防止や子育て支援、男性はどのように関わることができるのか?」
厚労省が発表した令和2年度の全国の児童相談所での児童虐待相談対応件数は20万件を超え、過去最多を更新し続けています。
児童虐待が国民的な関心事になる中、「自分にも何かできることはないか」と考えている方も多くいらっしゃると思いますが、虐待防止や子育て支援に関わる<現場>については、「専門家」や、あるいは「子育て経験のある女性」が活躍するフィールド、というイメージが強いのではないでしょうか?
9月7日(火)の渋谷のラジオでは、「僕らの子育て支援-男性支援者座談会」をテーマに、2名の男性子育てパートナーさんをゲストに迎えてお送りしました。
子育て支援に関わる男性支援者の想いやその実際について、MCを担当する濱田も含めて、3人で赤裸々に語り合った番組レポートです。
▼放送はこちらから→https://note.com/shiburadi/n/n4c1939940b0a?magazine_key=m56e0af985766
男性でも、働きながらでも、子育て支援はできる
家庭訪問型の子育て支援の業界にあって、男性の現場支援者(いわゆるヘルパーさんのような支援者)はまだまだ少数派。バディチームでも男性子育てパートナーは約1割というのが現状です。
女性の子育てパートナーのみなさんからは「自分の子育ても大変だったから誰かの力になりたい」という活動動機がよく聞かれますが、例えば出産直後の身体の大変さといったことは経験のしようもない男性が、どのような想いで子育て支援に関わるのか、あるいはどのように関わることができるのかー。
結論を先取りして言ってしまうと、子どもの成長と家庭の幸せを願うのに男性も女性も関係なく、男性でも、働きながらでも、現場で活躍することは十分にできます。
週1回・2時間でもできる子育て支援
ゲストにお招きしたお二人、松田伸剛(まつだ のぶたけ)さんは50代、馳天心(はせ てんしん)さんは20代ですが、ともにお仕事をしながら、終業後の夕方以降の時間や休日に、バディチームの子育てパートナーとして活動してくれています。
活動の頻度は週に1回、あるいは2週に1回となることもあり、1回の活動時間は主に2~3時間です。
「虐待防止や子育て支援の活動に参加する」ことを考えるとき、とてもハードルを高く設定してしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、実際にバディチームで活動しているみなさんの活動時間は「週1回・2時間」程度というのが、大きな部分です。これは女性も含めた全体の傾向でも同様です。
夕方以降の時間や休日のうち、週1回2時間を捻出することができれば、お仕事をしながらでも現場で活躍いただくことができるというのが、2人の実際の活動からもおわかりいただけると思います。
子育て支援の現場-掃除や料理をするのに性別は関係ない
実際の現場で行われる活動は、掃除や夕飯づくりといった「家事」のお手伝いであることも多く、しかしそれはプロの家政婦のような技量が求められるものではありません。
日常的な家事をこなすことができれば、性別は関係ないといえます。
家庭によっては小さなお子さんの保育が求められる場合もありますが、それにしても女性でなければできないというものではありません。
また過去に夫からのDV被害の経験がある母子家庭などでは男性が訪問することが難しいケースもありますが、そうした背景の家庭ばかりでもありません。
大切なのはさまざまな背景をもつ家庭の事情や価値観を否定することなく「受容・傾聴・共感」の姿勢で活動にあたっていただくことであり、そのことに性別は関係ないのです。
母子家庭で「普通の」成人男性と接する経験
また馳さんが語ってくれたように、男性だからこそできることもあります。
物心ついたときから母子家庭というお子さんの中には、保育園や学校の先生以外、成人男性と接する機会がほとんどないというお子さんもいます。
先に挙げたような過去にDVのあった家庭などでは男性=恐怖の対象となることもあります。
そうした家庭のお子さんにとって、健康でやさしい、「普通の」成人男性と接する機会は貴重なものになるでしょう。
これは実は女性支援者の場合でも共通する部分であって、例えば疾患や障害を抱えて家庭内のことがままならない親御さんと暮らすお子さんにとっては、訪問する支援者が「健康な大人」の1つのモデルになるということも、バディチームはこの活動の意義と考えています。
それはまた同時に、お子さんとのかかわりという場面において、親御さんにとっても1つのモデルになるということでもあります。
離婚歴があっても、子育て経験がなくても、生きてきた力そのものが役に立つ
松田さんが子育て支援に関わる元々のきっかけとなったのは、ご自身の離婚でした。
離婚後、当時小学生だった2人のお子さんは母方に引き取られることになり、「子どもから引きはがされた」ような思いから、「自分の子どもでなくても社会が子どもを育てていく」ことに関わろうと、「里親になりたい」という想いを抱くようになりました。
当初は子どもたちとの触れあいを自分にとっての「癒し」と感じていましたが、活動を続ける中で、そうした「自分を中心に置く」考え方ではなく、訪問先の家庭がよい状態に向かうために自分がどう関われるかという視点で考えられるようになってきたと語る松田さん。
今後は里親になる目標も引き続き追いかけつつ、児童養護施設や里親家庭といった社会的養育出身の若者の自立支援にも関わっていきたいと、活動の視野も広がっています。
一方の馳さんは今年の春に大学を卒業した新社会人で、子育ての経験はありません。
かつて「子どもはむしろ苦手だった」高校時代に授業の一環で保育に関わった体験から、子どもの魅力に取り憑かれ、児童福祉の分野に進学し、今はスクール・ソーシャル・ワーカーとして働いています。
学生時代から学習支援や学童期のお子さんの保育(遊び)などさまざまな場面で活躍してくれており、今後もスクール・ソーシャル・ワーカーと子育てパートナーとで相乗効果を生みながら、活動を続けたいと語ってくれました。
離婚歴があって子育てが不本意に中断してしまった松田さんも、子育て経験のない馳さんも、これまで生きてきた力そのものが活動に生かされているのだと感じました。
バディチームは決して専門家集団とはいえません。
むしろ専門家ではできない支援のあり方に可能性を見出し、活動を続けています。
女性も男性も、それぞれにその人らしい強みで、それぞれにできることを持ち寄って、活動を続け、広げていきたいと、改めて感じさせられる回となりました。
松田さん、馳さん、ありがとうございました!!
女性も男性も、仕事のある人もない人も、子どものいる人もいない人も-「みんなで子育て」にあなたの力を
いかがでしたか?
子どもの成長と家庭の幸せを願うのに男性も女性も関係なく、男性でも、働きながらでも、虐待防止・子育て支援の現場で活躍することはできます。
「週に1回、ノー残業デーで子育て支援」なんて働き方も素敵じゃないでしょうか。
とはいえ、長時間労働慣習の根強い日本社会では、そんな時間の捻出すら難しいという方も多いと思います。
そしてそのことは、子育ての負担が女性に過重にかかっていることの遠因にもなっているでしょう。
そうした労働環境も、社会の意識も、変えていかなければならないことは山のようにありますが、それぞれにできることを一歩ずつ始めていくことが、大きな変化につながるはずです。
例えばまずは毎月少額のご寄付からご協力いただくということでも、とても大きな励みになります。
「みんなで子育て」する社会へ、あなたも一歩、踏み出してみませんか。
▼放送はこちらから(ここには書ききれなかったこともたっぷりと…!)
2021年9月7日(火)9:00-9:55放送
https://note.com/shiburadi/n/n4c1939940b0a?magazine_key=m56e0af985766
▼渋谷のラジオ