【4月5月】子育てパートナー募集説明会のお知らせ(オンライン)
お知らせ 2025.04.14
【江戸川区おうち食堂支援員 インタビュー】vol.3 支援員の活動が地域に目を向けるきっかけに。 地域に広がる食の大切さ
現場スタッフとして活躍中の子育てパートナーや支援員の方々、応援してくださっている方々など、バディチームとつながりのある方へのインタビューです。
登場していただくのは江戸川区おうち食堂の支援員、塩澤和子さん。
おうち食堂では食の支援が必要なご家庭に支援員さんが訪問し、食事作りを行っています。
今回は活動を始めたきっかけ、印象に残っているご支援、管理栄養士として地域で活動されていることなどをお聞きしました。
何かボランティアをやってみたい!料理を作ることなら自分にもできる
―支援員に登録しようと思ったきっかけを教えてください
フルタイムの仕事を退職し、何かボランティアをやってみたいと思いました。区報にお知らせを見つけてすぐ応募しました。料理を作ることならできるかなと思ったのです。
―実際にやってみてどうでしたか?
初めて伺ったおうちのお子さんは、アレルギーや偏食があり、作ったものをあまり食べてくれなかったので辛かったです。お母さんもすぐには心を開いてくれませんでした。
軽く考えていた自分を反省しました。バディチームの方に相談のメールをよくしていまして、担当の方はいつも励ましてくださったので、何とか続けることができました。
―印象に残っているご支援(ご家庭)はありますか?
それぞれ思い出深いのですが、一番は最初に伺ったご家庭です。ご両親に障害があり、育児も家事も思うようにできない様子でした。経済的な問題もあり、支援を始めて1か月目の夏の暑い日に、料金滞納のため電気が止められてしまって、キャンプ用のランタンを持って支援に伺ったことは忘れられません。でも、その後、お母さんは私を信頼してくれるようになり、お子さんも私に懐いてくれました。
―活動の中で大変だったことはありますか?
上記のご家庭ではその後も経済的な問題が続いて、お子さんの紙オムツが買えないとか、おうち食堂でお子さんの食事はあるけれど親の食べるものがないとか、私にできることは食事を用意するだけでしたが、心配が尽きませんでした。お母さんが愛情深くお子さんを育てていたのが救いでした。
―管理栄養士として地域でも活動されているとお聞きしていますが、どんなことをされているのですか?
二つあって、一つは歯科クリニックの「栄養ケア・ステーション」で、地域の高齢者に昼食を提供したり、熟年相談室でフレイル予防の講演をしたりしています。歯科の患者さんだけではなく地域に開かれた「食事よろず相談所」を目指しています。
※フレイル予防…フレイルとは健常から要介護へ移行する中間の段階を指し、この時期に適切な支援を受けることで、より早期からの介護予防(=要介護状態の予防)になる。
もう一つは、江戸川区の地域活動栄養士会で、幼児向けの料理教室や熟年男性対象の料理講習会をやっています。昨年はコロナウイルスでできませんでしたが、今年はオンラインで再開したところです。

幼児向け料理教室の様子
子どもから高齢者まで。「お口と栄養」の大切さをお伝えし、地域の皆様の健康づくりの役に立ちたい
―その活動をしようと思ったきっかけはなんでしょうか?
江戸川区に住んで30年近くになりますが、今までは区外へ仕事に行っていました。これからは地元で役に立つ活動がしたいと思いました。
―今後やっていきたいことや展望はありますか?
現在の「栄養ケア・ステーション」は高齢者対象が主ですが、今後は一般の方や子ども向けの活動もしたいと思っています。例えば、口の問題は全身に繋がっていて、大人であれば歯周病は多くの病気のリスクですし、子どもであれば、小さい頃からよく噛んで食べることや口をきちんと閉じていられることで、顔立ちや姿勢、集中力なども変わってきます。そんなことを、地域の皆様にお伝えして健康づくりの役に立てたらと思います。
また、小学生の放課後の居場所として、カフェのような場所が作れたらと思っています。そして「おうち食堂」の活動と連携できたら・・・と夢は広がりますが、コツコツやっていきたいです。
【編集後記】
塩澤さん、素敵なお話をありがとうございました。おうち食堂の支援員の活動と管理栄養士としての地域活動には「食」を介してつながりがあり、それぞれ多くの方の助けになる大切なことをされているのだと感じました。さらなる相乗効果でこれからのご活躍も応援しております。(文責:事務局 青木)