【2月3月】子育てパートナー募集説明会のお知らせ(オンライン)
お知らせ 2025.02.06
【保育バカ一代】vol.18 続・送迎バスの思い出
私が勤めていた認可外保育園では送迎バスを運行していた。私もときどき添乗したが、それは園児たちとの楽しいドライブの時間でもあった。
朝は明るいのでみんなの顔がよく見えて、和気あいあいと会話がはずんだ。5歳のMちゃんが「しげせんせー、なんかおもしろいDVDもってる?」と聞いてきたので「汽車が宇宙を走る話なんてどう?」と答えると「みたーい!」と言うので、翌日『銀河鉄道999(劇場版)』のDVDをMちゃんに貸してあげた。
名作を次の世代へ伝えていくのも大切な使命である(ただの公私混同)。
バスが園に到着したら、まず大きい子が自分で降りて、次に小さい子が降りるのを私たちが介助した。
バスといってもワゴン車なので子どもを抱きかかえて降りるのは少々せまくて大変だが、私は「着いたよ~」と言いながら子どもと頬を寄せ合うこの瞬間も好きだった(読者は「怖っ!」とか言わないように!)。
子どもが全員降りたら、最後に車内を点検。忘れ物や落とし物が無いか、座席も床も隅々まで見た。片方脱げた靴、キャラクターのティッシュ、折り紙の手裏剣、ドングリひと粒だって見逃さない。
こうして朝のバス業務は無事に終了した。
夕方、帰りのバスに添乗する前にトイレに入っていたら、トイレの外から3歳のHちゃんが泣きながら「しげせんせ~、どこ~?」と呼ぶ声が聞こえた。Hちゃんもバスに乗って帰るのだが、一緒に乗るはずの私の姿が見えないので不安になったらしい。トイレから出た私が「ここだよー」と言うと、Hちゃんは涙と鼻水まみれの顔で「あ゛~!」と叫びながら抱きついてきた。私は「バカだなー」と笑いながら、自分の命よりも大切な命を乗せて運ぶ仕事を誇りに思った。
2021年に福岡県中間市で起きた送迎バス置き去り死亡事故の教訓が生かされず、わずか1年後に同じ悲劇が静岡県牧之原市でも起きてしまった。
大人は運転手と添乗員の2名が乗っていたというが、いったい彼らはどれだけ子どもに無関心だったのだろう?どうしてそのような人たちが子どもと関わる仕事をしていたのだろう?私には理解できない。
事務局スタッフ“しげさん”による温かく、時にユーモラスな保育エッセイ♪
過去の記事はこちらからご覧ください!