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コラム 2025.11.19

【保育バカ一代】vol.37 なおれ!ポッキンキン

その日は朝から2件の訪問予定が入っていた。1件目は小学3年生のTちゃんの登校支援、そして2件目は3歳のGくんを外へ遊びに連れて行く支援だった。

 

それがまさか、あのような不測の事態になるとは……

 

Tちゃんの自宅から小学校まではおよそ徒歩10分。一見それほど難しい支援には見えないが、とってもおてんばなTちゃんはたびたび予測不能な行動をとるので、なかなかスムーズにはいかない。そして、ついにその事件は起きた。

 

一緒に歩道をテクテク歩いていたら、いきなりTちゃんが私に体当たりした。

(ドンッ!)

不意を突かれた私はバランスを崩して段差を踏み外し、そして左足を捻挫した。

(グニョ)

「~~~~~~~~~~ッ!!!」

 

あまりの激痛に頭が真っ白になり、このあと私はいったいどうやってTちゃんを小学校まで連れて行ったのか、まったく覚えていない。ただ、Tちゃんと別れてすぐに電話で本部に事情を説明し、2件目のGくんの支援は不可能だと伝え、片足を引きずって病院へ直行したことはハッキリと覚えている。

 

1ヶ月の松葉づえ生活を経て、やっと足が治った私は改めてGくんの家を訪問することになった。前回ドタキャンしてしまった分、今日はたくさん遊んであげよう。私はそう心に決めてGくんの家のピンポンを押した。

 

ガチャッとドアが開き、Gくんとママがニコニコと笑顔で迎えてくれた。

「Gくんおはよう!この前は来られなくてごめんね」

そう私があいさつをすると、Gくんは私にこう言った。

 

「ポッキンなおった?」

 

骨折ではなく捻挫なのだが、Gくんの「ポッキン」があまりにもかわいいので、私は「アハ、アハハハハ、心配してくれてたの?どうもありがと~♪でも、ポッキンじゃないんだよ~」と、超グダグダな返事をしてしまった。

 

こういうときは「うん!ポッキン治ったよ」と言っておけばいいのに、つくづく私はアドリブがきかない男である。

 


 

 

事務局スタッフ“しげさん”による保育エッセイ『保育バカ一代』

子どもや保護者との関わりにおいて大切なことや保育の現場で感じたさまざまなことを、あたたかくユーモラスな視点で綴っています。過去の記事はこちらからご覧ください!

 

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