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コラム 2024.05.23

【保育バカ一代】vol.24 ばいきんまんの矜持(きょうじ)

アンパンマンのアニメで珍しいシーンを見た。お腹を空かせたばいきんまんに、アンパンマンが自分の顔をちぎって食べさせようとしたのだ。

「はい」と笑顔で差し出されたそれを「ウムム……(ゴクッ)」と見つめるばいきんまん。食べるのか?食べないのか?緊張の時間が流れる中、私は必死に叫んだ。

 

「よせ、ばいきんまん!そんなものを食ったら、お前はもうおしまいだ!たとえ全国の子どもたちが許しても、この俺がお前を許さん!」

 

果たして、ばいきんまんの決断は……?

 

「カァーッ!そんなもの食えるかー!」(←うろ覚え)

見事、敵の施しを突っぱねたばいきんまん。私は嬉しくて「エライぞ!やっぱりお前はアンパンマンの永遠のライバルだ!」と心からの祝福を贈った。

 

手段を選ばなければ、ばいきんまんはもっと効率よく戦えるはずである。たとえば、アンパンマンがパトロールに行っている隙にパン工場を住人ごと破壊してしまえば、アンパンマンは精神的ダメージを受け、新しい顔も二度と手に入らなくなる。これならばいきんまんの完全勝利も夢ではないだろう(エグイ)。

 

だが、ばいきんまんはそのような手段を一切とらず、常にアンパンマンに真っ向勝負を挑んでいる。その誇りと執念に満ちた生き様は、まるで侍のようである (圧倒的なパワーを持つアンパンマンに兵器を使用するのは卑怯ではない)。

 

そんなばいきんまんがアンパンマンの顔を食べてしまったら、一体どうなるだろう。きっと「オレ様がアンパンマンに救われるとは、なんたる屈辱!」と自分への怒りで打ち震えるに違いない。想像しただけでもかなり残酷である。

 

では、自分の顔をばいきんまんに食べさせようとしたアンパンマンの行為は、ばいきんまんのプライドを踏みにじる非道な仕打ちだったのだろうか?いや、アンパンマンにもみんなの夢を守るヒーローとしての信念が、きっとあるはずだ。

もしかしたら、アンパンマンもベストコンディションのばいきんまんと戦い、正々堂々と倒したかったのかもしれない。そう、武田信玄に塩を送った、あの上杉謙信のように。だとしたらアンパンマン、やはり只者ではない。

 

※補足

ジャムおじさんもアンパンマン号のような万能メカを作れるくらいなので、ばいきんまんの総攻撃を受けてもパン工場にバリアを張り、迎撃ミサイルを発射するくらいの備えはしているかもしれない(もはやパン工場ではなく要塞)。

 

 


 


事務局スタッフ“しげさん”による保育エッセイ♪

子どもや保護者との関わりにおいて大切なことやさまざまな保育の現場で感じたことを、あたたかくユーモラスな視点で綴っています。 

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