【保育バカ一代】vol.22 AKシスターズ
保育バカ一代(エッセイ) 2024.03.28【子育てパートナーインタビュー】vol.2 子どもの成長する力を信じている。子どもの良い面を伝えることでお母さんの気持ちも楽になる
現場スタッフとして活躍中の子育てパートナーや支援員の方々、応援してくださっている方々など、バディチームとつながりのある方へのインタビューです。
今回は子育てパートナーの迫村郁子さんに活動を始めたきっかけ、やりがい、支援時に心がけていることなどをお聞きしました。
末っ子が中学生になったのをきっかけに、「私」としてずっとやりたかったお仕事をしたい
――活動を始めたきっかけを教えてください
末娘が中学に入って、少しずつ自分の時間が取れるようになった時に、自分の今後の人生を考えるようになりました。
ずっと夫のクリニックの仕事をしてきましたが、看護師というより経理や労務の仕事に追われ、仕事と子育てで忙しい日々でしたが、少し時間の余裕ができ、自分は何をしたかったのだろう、このままで良いのだろうか、と考えました。「○○さんのママ」「○○さんの奥さん」というだけでなく、これからはもっと「私」として自分のやりたいこともしたいと思いました。
もともと赤ちゃんのお世話が好きで、若い時に乳児院で働きたいと思ったことがあると思い出したのです。
家庭に恵まれない子供たちに関わるような事もしたいと考え、バディチームさんに行き着き、子育てパートナーとして登録させていただきました。
――主な支援内容は?
産前産後の家庭での赤ちゃんの保育、上のお子さんのお世話や見守り、お掃除などが多いです。
自分自身の産前産後の時も、掃除や台所の片付けなどをやってもらえたら助かると思っていました。
――この活動のやりがいはなんでしょうか?
産前で初めて訪問したお宅は、部屋のあらゆるところが片付いていない状態でした。産後も何カ月か続けて入っている間に少しずつ部屋が片付いてきて、今となってはずいぶん片付いている、というご家庭もあります。一緒に片付けてくれる誰かがいると、やる気が起こるものです。少しでも変化があると訪問してよかったと思います。
もう1つのやりがいは、お子さんの成長を見ることが出来ることです。とても楽しい時間を過ごさせてもらい、訪問が私の大きな喜びとなっています。
ご家庭の価値観はさまざま。お母さんの要望や求められたことを出来る限りやってあげたい
――訪問時に心がけていることはありますか?
家庭はそれぞれなので、掃除の仕方や子育てに関する価値観もみなさん違います。お家に入ったらお母さんにどうすれば良いですか?と聞いて、要望や求められたことを出来る限りやってあげようと思っています。
あと、お子さんの事で相談されることもあります。まずはお話をよく聞いてあげ、「どのお子さんも何かしら能力を持って生まれてきているし、必ず成長する力があると信じている。だから大丈夫だよ。」とお母さんに伝えます。
お母さんから見ると子どもの欠点ばかり見えてしまう、ということもあります。そういう時は、私が見て感じる「こんな良いところがあるね」と教えてあげると気持ちが楽になるようです。
――活動を始めるにあたり不安なことや実際に困ったことはありますか?
一番大変だったのは、調理支援で訪問した時、いろいろな食材がほどほどにあると良いのですが、ある食材はどっさりあっても他の物があまりないというご家庭で、何でもいいから夕食を作ってと言われて少し困りました。
最初は、他人のお家で調理ができるかなとか、ご家庭と関係がうまくいくかなとか、少し不安はありましたが、活動の中で求められた事を自分なりに一生懸命やることで少しでも何か役に立てていると感じ、不安はなくなります。
――最後にメッセージをお願いします。
発達障害があると言われているお子さんとの関わり方や、問題を抱えているお母さんとの関わり方をもっと勉強したいと感じています。
自分の家庭のことや親の介護のことなどもあるので、細く長く続けていきたいと思っています。
バディチームは自分の動ける時間に合わせて活動に参加できるので、無理なく続けられます。きっとどなたでも、誰かの何かの役に立てると感じられる、そんな場所です。
【編集後記】
パートナーという立場だからこそ見えてくる親が気付かない子どもの良い面。どうしても親は子どもの欠点ばかりが気になってしまうので、それを伝えてくれるのはとても嬉しいことだと思います。そんな迫村さんのひと言は、親にとって子どもを一緒に見守ってくれている安心感にもつながっているのではないでしょうか。素敵なお話をありがとうございました!(文責:事務局 青木)