2025年度版『おうち食堂メニュー集』ができました
お知らせ 2025.05.15
【子育てパートナーインタビュー】vol.1 お母さんが大変な時こそ訪問を。ご家庭の応援団になる!
現場スタッフとして活躍中の子育てパートナーや支援員の方々、活動を応援してくださっている方々など、バディチームとつながりのある方へのインタビューです。
今回は子育てパートナーの青木郁美さんに活動を始めたきっかけ、やりがい、支援時に心がけていることなどをお聞きしました。
お母さんに子育てを一人で頑張らなくていいと伝えたい
――活動を始めたきっかけを教えてください
もともと民間の相談機関でお母さんの子育て相談をしていました。その中で一番に思ったことは、孤独を感じながら子育てをしているお母さんが多いことです。自分は子どもに対してイライラしたり、マイナスな感情を持ってしまう。でも、外へ出ると、ほかのお母さんは楽しそうに子育てしている。それで、私は母親として失格なのでは、と考えてしまうお母さんが多くいらっしゃるように感じます。子育ては楽しいこともあるけど、大変なことが多いですよね。
私が電話で相談を受けた時に、電話の向こうで赤ちゃんがずっと泣いているのが聞こえて、お母さんも泣いているんです。こんな時にそばにいてあげられたらと強く思いました。お母さんには、完璧でなくていい、子育てはひとりで頑張らなくていいって伝えたいです。また、みんなが当たり前にそう思える社会になったらいいなと思っています。
――主な支援内容は?
保育やお母さんの話し相手が多いです。母親としての自信をなくされている方も多いので、毎日の頑張りをねぎらうことで、少しでも気持ちが軽くなるような声掛けを心がけています。親にとっては、子どもの成長が1番嬉しいと思いますが、毎日見ていると実感しづらいですね。私は週に一回だけ伺うので、気づいたこと、例えば「お子さんに表情が出てきましたね」「今日はたくさん声が出てますね」など、積極的に伝えるようにしています。
お子さんの成長を母と一緒に喜べる。それは本当に幸せな時間
ーーこの活動のやりがいはなんでしょうか?
お母さんと気持ちがつながったと思う時が嬉しいです。あるお母さんは、赤ちゃんの世話で本当に疲れていらして、2時間のサポートの間は休まれていました。そのうち、起きて一緒にお世話する時間ができて「この月齢の赤ちゃんってどうやってあやすの?」とか、「どうやって裏ごしするんですか?」など色々質問してくださるようになりました。
その間に寝ているだけだった赤ちゃんが寝返りをうつようになり、お座りができるようになって、あやすと笑ったりしてくれるようになりました。その成長の一つひとつをお母さんと一緒に喜べたのは、本当に幸せな時間でした。
――大変だったことや困ったことはありますか?
保育で訪問したとき、赤ちゃんをなかなか見せてくれないときがあって、小さな赤ちゃんだったのでお乳の飲み方など心配でした。また、あるご家庭では「玄関から先に入らないでください」と言われたこともあります。回を重ねるうちに少しずつ気心が知れて、辛い経験をたくさん話してくださいました。
――訪問時に心がけていることはありますか?
お家に伺う前には、たった2時間の訪問だけどお母さんに休んでもらおうと思っています。お母さんが元気なことが、お子さんにとって一番いいことです。私もそうでしたが、しっかり育てなければ、失敗しちゃいけないと考えていると、力が入ってきつくなってしまいます。お母さんが一杯一杯な時に訪問することで、みんなで一緒に乗り越えましょうという気持ちでいます。
――最後にメッセージをお願いします。
いつも赤ちゃんに癒され、新しいご家族と出会って人生が豊かになると感じています。
皆さん、ぜひ一緒にご家庭の応援団になりましょう。
【編集後記】
「お母さんが元気なことが子どもにとって一番いいこと」。どうしても無理しがちなお母さんに対して、まずお母さんに寄り添い、支える。それが最終的には子どものためにもなりますね。
青木さん、お母さんに対するあたたかな眼差し、そして訪問型支援に対する思いなど、素敵なお話をありがとうございました!(文責:事務局 青木)