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お知らせ 2026.04.20
【子育てパートナーインタビュー】児童養護施設と家庭訪問型支援
この記事では、現場の最前線で親子に寄り添う「子育てパートナー」として活躍する鷲頭明子さんと湯田香菜さんへのインタビューをお届けします。
乳児院での「抱っこボランティア」を通じて保護される前の家庭支援の重要性を痛感した鷲頭さんと、現役の児童養護施設職員として「措置される前の生活環境」を肌で感じるために活動を始めた湯田さん。
異なる背景を持ちながらも、「施設にいる子も家庭にいる子も紙一重」という共通の視点を持つお二人の言葉から、訪問支援が家庭にもたらす温かな変化と、社会全体で子どもを育むことの意義を紐解きます。
※本インタビュー記事は2022年7月5日渋谷のラジオ収録放送を元に作成しています。
「乳児院・児童養護施設での抱っこボランティアを通じて」
――鷲頭さんは、一般社団法人ぐるーんという団体でも活動されているそうですね。具体的にどのような活動なのですか?
鷲頭: ぐるーんは「お金ではなく愛と温かさを届けよう」を合言葉に、乳児院や児童養護施設で赤ちゃんを抱っこする活動から始まった団体です。東京都だけでも、親元を離れて施設で暮らす子どもは3000人を超えています。私たちは、乳児院での抱っこや保育補助、児童養護施設での絵本の読み聞かせ、さらには手作りのベビースタイを届けるなど、サポーターがそれぞれにできることを見つけて活動しています。
――この活動を始めたきっかけは何だったのでしょうか?
鷲頭: 茨城県出身なのですが、実家の近くに東京の児童養護施設があり、子どもの頃から施設で暮らす同年代の存在に衝撃を受けていました。自分も親になり、赤ちゃんの愛おしさを実感したことで、長年勤めた会社を退職した2013年に「施設の子どもたちのために何かしたい」という長年の思いを実現すべく、ぐるーんに出会いました。
――実際に現場に入ってみて、いかがでしたか?
鷲頭: 最初は「虐待などで心が傷ついている子どもたちを自分は受け止められるのか」と不安もありました。しかし、実際に行ってみると子どもたちは非常に元気で明るく、一般家庭の子どもと何ら変わりませんでした。甘えてくれる姿に不安はすぐに消え、今は「生まれてきてくれてありがとう」という気持ちで抱っこしています。
――現在は東京地区のリーダーも務められているそうですが、バディチームにも参加された理由を教えてください。
鷲頭: 乳児院で赤ちゃんを抱っこしながら、「本当はママに抱っこしてほしいはず」「保護される前の段階で、もっとできることがあるのではないか」と考えるようになったからです 。そんな折、コロナ禍で施設訪問が難しくなった2020年にバディチームを知り、「これだ」と思って登録しました 。
――バディチームでの訪問支援を通じて、感じていることはありますか?
鷲頭: 定期的に訪問するご家庭でお子さんの成長を親御さんと一緒に見守れるのは本当に楽しいです 。一方で、ワンオペ育児で追い詰められているお母様の姿を見ると、「施設にいる子も家庭にいる子も紙一重」だと痛感します 。悲しい思いをする親子を一人でも減らし、笑顔を増やしたいという思いで活動しています 。
「児童養護施設勤務と訪問型子育て支援と」
――湯田さんは普段、児童養護施設でお仕事をされているそうですね。どのような日常なのですか?
湯田: 2歳から18歳までの子どもたちが暮らす施設で、食事作りや掃除、洗濯といった「お母さんのような役割」を担っています 。宿直勤務では、子どもたちを「おかえり」と迎え、寝かしつけをし、翌朝「いってらっしゃい」と送り出します 。家事だけでなく、学校行事への参加や児童相談所との連携など、業務は多岐にわたります 。
――お仕事を始められて8年目とのことですが、変化はありましたか?
湯田: 1年目は家事や子どもたちの「試し行為」に翻弄されましたが、今はどっしりと構えて「大丈夫だよ」と言える安定した場所になれた気がします 。子どもがなぜ泣いたり暴言を吐いたりするのか、その背景や根本にある思いを考えながら支援できるようになりました 。
――なぜ、施設で働きながらバディチームでの活動も始めようと思ったのですか?
湯田: 施設に来る子どもたちの家庭状況を書類で見るだけでなく、「措置される前の生活環境」を実際に肌で感じたいと思ったからです 。また、施設での経験を外で活かせるのではないかという思いもありました 。
――実際に家庭訪問をしてみて、気づいたことはありますか?
湯田: 掃除の支援に入った際、凄まじい物の量や衛生環境を目の当たりにしました 。施設には片付けが苦手な子がいますが、「こういう環境で育ってきたら、そうなるのも無理はない」と、その子の感覚を深く理解できるようになり、施設での支援にもプラスになっています 。親御さん自身が精神疾患などで動きたくても動けないケースもあり、周りの支援がいかに大事かを実感しています 。
――最後に、社会に対して伝えたいことはありますか?
湯田: 児童養護施設の存在はまだ十分に知られておらず、それを劣等感に感じて友達に言えない高校生もいます 。社会全体が施設について当たり前に知り、「ああ、そうなんだ」と普通に受け止めてもらえる世の中になれば、子どもたちはもっと生きやすくなるはずだと信じています 。
バディチームでは、こうした困難な現場を支えるために、事務局コーディネーターによる丁寧な伴走体制を整えています。子育てパートナーに特別な資格は必要ありません。「誰かの役に立ちたい」という想いを持つあなたの力を、必要としている親子が待っています。
活動に興味を持たれた方は、ぜひホームページから「子育てパートナー募集説明会」にお申し込みいただくか、事務局までお気軽にお問い合わせください。
