【2026年5月】子育てパートナー募集説明会のお知らせ(オンライン)
お知らせ 2026.04.20
【イベントレポート】里親家庭に「子育て支援」は届いているか~地域住民とともに育む社会的養護の実践報告~
2026年1月24日、オンラインイベント「里親家庭に「子育て支援」は届いているか」を開催しました。
いま共働きの里親家庭は5割を超え、「一般」の子育て家庭が必要とするような子育て支援を里親家庭も必要としています。そしてそうした支援は、有資格者や専門職でなくても、担うことができます。
里親子とともに悩み、ともによろこぶ理解者・応援団を地域に広げ、「みんなで子育てする社会」をめざし、各地の取組事例を学び合った当日のもようをお伝えします。
※ここにご紹介するのはイベントのほんの一部です。ぜひアーカイブ動画で全編をご覧ください!
■出演
八谷斉:認定NPO法人優里の会 副理事長
たかこ・りょうこ(仮名):くまもと里親Fikaちょこっと 事務局・里親
竹田祥子:里親支援センターほだかの里 センター長
井上峰子:里親支援センターほだかの里 里親等相談支援員
岡田妙子:認定NPO法人バディチーム 理事長
フォスタリング機関でもなく、里親当事者団体でもない、私たちにできること
岡田妙子:認定NPO法人バディチーム 理事長

私たちバディチームは、フォスタリング機関や里親当事者団体ではありません。2007年に子どもの虐待防止を目的に設立しました。2009年からモデル事業として里親家庭の支援を始めて、2012年から東京都の制度事業を担当しています。2020年からは区児相(東京都特別区の児相)の設置やフォスタリング機関ができたことによって、担当地域を減らしながらではありますが、継続しているという状況です。
私たちの現場支援者は、年齢・性別・資格や経験の有無を問わず、活動してもらっています。学生さんも学習支援が得意だったりしますし、企業にお勤めの50代の男性の方が休みの日は参加してくださったり、80歳近い方も、子どもを見るのはちょっと難しいけど食事づくりならできるということで、活動してくださったりしています。里親にはなれないけれども、施設の職員さんにもなれないけれども、お手伝いはできるっていう人たちはたくさんいます。
こちらから訪問することで孤立を防ぎ、具体的な家事・育児のお手伝いをすることで負担を軽減する、ということです。いっぱいいっぱいな状態の時に誰かがちょっとお手伝いをしてくれることで、ふっと力が抜けて前向きに進めるということが、里親さんでもあることだと思います。
数年前から委託事業とは別に、制度では時間や回数が足りない家庭にも支援を行っています。
高校生のお子さんが家の中の片付けができなくて、一緒に掃除片付けをしてほしいとか、高齢の祖父が親族里親としてお子さんたちを1人で見ているのでちょっとでも負担軽減ということで、調理に入ったりといった形です。
東京都全域を担当していた時代から、支援の分散化が進んで、現在はあえて担当する地域を減らす判断をしています。支援を継続しながらも、私たちの経験をどう役立てていけるのか今後の方向性を模索する日々が続いていますが、これからも一歩一歩、進んでいきたいと思っています。
里親等支援ボランティア事業さとぽっぽ
竹田祥子:里親支援センターほだかの里 センター長
井上峰子:里親支援センターほだかの里 里親等相談支援員


令和3年の10月から名古屋市の委託を受けてフォスタリング機関としてスタートしております。その後、令和7年の1月から、東部児童相談所管轄地域の里親支援センターとして再出発させていただきました。中央児童相談所と西部児童相談所の管轄のフォスタリング事業も継続させていただいています。
里親支援事業の「さとぽっぽ」は、里親さんの育児負担の軽減と里親相互の助け合いを目的とした、訪問型の育児・家事支援です。自主事業ですけれども、児童相談所の方と内容についてたくさんの話し合いを行って、フォスタリング機関の開設時に事業を開始しています。
また里親家庭の支援経験があるボランティア団体「ぐるーん東海」さんの協力を得て、多くの援助者さんを紹介していただきました。里親にはなれないんだけれども何かお手伝いをしたいという方が援助者として登録をしていただくこともありますし、同じ法人内の児童養護施設で非常勤として働いている職員さんで、援助者として登録をされている方もいます。保育士や社会福祉士もいますが、大学の准教授の方であったり、カウンセラー、障害者支援をやっている方、ちょっと変わったところでは自営で内装業をやられている方で、子どもと一緒に工作をするとか、ちょっとお家の中を綺麗にするみたいなところが得意で、そのお手伝いがしたいですっていう登録者の方もいます。
利用の理由は問わず、生活援助全般を行っています。利用回数は月1回までですが、状況を鑑みてケースによっては月に数回利用するということもあります。委託直後の慣れない育児で、乳児などであればミルクや沐浴、普段の日常生活の世話みたいなところを一緒にやってほしいという場合や、少し大きくなると遊びを一緒にしてほしいとか、小学生なら学習支援も多くあります。
家事支援については、引っ越ししたばかりなので整理を手伝ってほしいとか、衣替えの手伝いをしてほしいですとか、あとは食事の準備や、本当に共働きの里親さんが増えているなという実感がありまして、在宅ワークを別室でしている間、子どもを見ててほしいとかいう依頼もあります。
これまで生後2週間から10歳までの子供たちが利用しています。そのうち4割程度が1才以下でした。委託を受けて1年以内でさとぽっぽを利用するという方がとても多いですね。
課題もいろいろあって手探りで始めたさとぽっぽの活動ですけれども、まだ3年というところなので、皆さんからもアドバイスをいただけたらありがたいなと思っております。
2つの「ちょこっと」をつなぐ日常のサポートで、レスパイトと同様の効果を
八谷斉:認定NPO法人優里の会 副理事長
たかこ・りょうこ(仮名):くまもと里親Fikaちょこっと 事務局・里親

優里の会は2013年にNPO法人を設立しました。2024年に熊本県の県南の支援センターの認定を受けて、八代児童相談所管内で活動を行っております。
「くまもと里親Fika ちょこっと」事業は2023年の4月から、優里の会と数名の里親仲間が連携してスタートいたしました。日常的なちょっとした支援が必要で「ちょっと助けてほしい」と思う里親さんと、「ちょっとしたお手伝いならできる」という地域の方々、この2つの「ちょこっと」をつなげていきたいと考えています。
サポーターさんにはまずイベントのお手伝いをしていただいたり、サロンや研修などの際に託児をお願いしています。そして経験を積んでいただいた方に、子どもさんの一時的な預かりを担っていただいています。
最大4 時間程度の子どもの預かりです。一時預かりを実際に利用された方からは、「サポーターさんがイベントや託児で顔を合わせたことのある方だったので安心して預けることができた」「このような制度ができて大変助かっている」という嬉しい声を頂いております。
いまFikaの一時預かりについては、特別養子縁組家庭のお子様が対象になっており、養育里親での利用が認められていません。(養育里親には)現在はレスパイトとファミサポの利用が促進されています。
養育里親を対象にアンケートと聞き取りを実施したところ、レスパイトケアについて周知はされていますが、利用法について「利用しにくい」「わからない」と言われた方々の中には、預かりは短時間でいいんだけれども急には利用できない、頼むことに遠慮してしまう、という声もありました。委託間もない里親さんや乳児を育てている里親さんからは、訪問支援を望む声が上がっています。
レスパイト以外の日常のサポートとして、短時間訪問サポートの可能性を感じています。サポーターが里親宅へ行き、里子さんの見守り・遊びを行う間に里親さんは洗濯や家事、在宅の仕事、休息、ほっと一息の入浴など、自由に過ごしていただく。利害関係のないピアな立場での気軽なおしゃべりなどで孤独感を防ぎ、ちょこっとの心身の休息で、レスパイトと同様の効果が得られるのではと考えています。
現在はモデル地区を作り試験的に取り組んでいます。里親さんからのニーズなどを聞き取りながら、里親が里親・里子のために作るFikaならではの「ちょこっと」のサポートで養育が楽しくなるように、訪問型サポートにつなげていきたいと動き出しています。
質疑応答
【参加者】
里親家庭に援助者が1人で訪問することがあるということですが、事前情報は双方にどんな内容までお知らせするのでしょうか?
【竹田】(ほだかの里)
物理的なことでいうと交通の便とか駐車場の場所とかそういったこと。お子さんの情報は、気をつけてほしいこと、食べ物のこと、アレルギーのこと、排泄のこと、そういった内容の簡単な用紙を用意してますので、依頼者の方にそれを記入していただいて、そちらを援助者さんにお渡ししてます。
【たかこ】(Fika)
援助者の方への研修は定期的にされていますか?
【竹田】
定期的にはできてないのが実情です。登録の段階で、里親さんに必ず聴いていただく里親ガイダンスを聴いていただいています。育児経験のない方などは、併設の児童養護施設・乳児院を利用して実習を行っていただくこともあります。あとは託児ですとスタッフの目もありますので、そこで慣れていっていただいています。
【進行】
レスパイトケアではなく、Fika・さとぽっぽが選ばれることのポイントはどこにあるのでしょう?
【たかこ】
事業を始める前に養育里親さんにアンケートを取らせていただいたところ、レスパイトが使いにくいという回答が多くありました。使いたい時にすぐに使えるわけではないというのと、1 日ではなく短時間でよくて、子どもたちが知っている人のところに遊びに行く感覚で預かってもらえるようなものがあったらいいという声がありました。
【竹田】
レスパイトは里親さんと完全に離れて1日ないしお泊まりで、ということになるかなと思いますけれども、さとぽっぽは訪問型なので、家の用事をしたいとか子どもをちょっと見ててもらいたいとか一緒に何かしてほしいとかいった時には、さとぽっぽの方を希望されます。
委託後の間もない方はなかなかお泊まりで預けようということを思われないので、そういった意味でもレスパイトよりはさとぽっぽが利用しやすいのかなというふうには思います。
参加者の声
●里親さんが安心して養育できるよう支援したいと日頃から思うばかりで実践できていなかったことへの取り組む意欲がさらに湧く、とてもよい機会となりました。
●長期外泊中の支援、一時保護中の支援をフォスタリング職員のみで対応している現状では限界があると感じていたので、状況は異なりますがアイディアをいただけて良かったです。
●レスパイト利用で足りていると認識していましたが、今日の研修で「ちょっとの負担にちょっとの支援」という使い勝手を考えたとき、当地域にもニーズがあると気づかされました。
最後までお読みいただきありがとうございました!
里親家庭に対する支援は全国で模索が続いています。バディチームでは今後もこうした学び合いの場づくりを行い、関係機関のみなさんと手を携えて、行政に対しての働きかけも行っていきます。
※ここでご紹介したのはイベントのほんの一部です。ぜひアーカイブ動画で全編もご覧ください!
※里親家庭支援全体の取り組みについてはこちらの「バディチームの里親家庭支援」のページをご覧ください。
このイベントは日本財団より助成を受け、2025年度「里親子に対する訪問型支援の強化と調査研究」事業の一環として開催されました。
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