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コラム 2024.04.24

【保育バカ一代】vol.23 ころんだっていいじゃないか こどもだもの

ある日、1歳の男児と公園へ行った。もう自由に歩ける子で、嬉しそうに公園中をトコトコ歩き回っていた。すると突然、その子はコテンと転んだ。どうやら地面が少し盛り上がっている所につまずいたようだ。ちょっとだけエ~ンと泣いたが、すぐに立ち上がって再びトコトコ歩き出した。

 

しばらくすると、その子の進行方向にさっき転んだ場所が見えてきた。さあどうする?と私が見守っていると、その子は地面の盛り上がった所でピタッと立ち止まり、少し考えてからそこをゆっくりとまたぎ、何事もなかったようにまたトコトコ歩き続けた。その瞬間、私の頭の中で「テケテケッテッテッテーン♪」という音楽が流れた(ドラクエでレベルアップしたときの音)。

あとでお母さんにこのことを伝えると、子どもの成長を喜ぶように笑った。

 

別の日、2歳の男児と自宅前の公園で追いかけっこをしていたら、その子がスッテーン!と勢いよく転んでウエ~ンと泣いた。私はそばに駆け寄り「大丈夫?立てる?」と声をかけたが、あえて手は差し伸べずにそのまま様子を見た。

 

しばらくするとその子は泣き止み、自分でスクッと立ち上がった。少しだけヒザをすりむいていた。私は「やった!自分で立てたね!すごい!」と褒めてから「ヒザを洗ってあげるからおいで」と水道のところへ連れて行った。

 

公園でたっぷり遊んでから終了時刻に帰宅して、私はお母さんに「公園で転んでヒザを……」と言いかけた。すると、お母さんは明るく「は~い、見てました」と言った。ちょうどその瞬間を自宅の窓から見ていたらしい。私は「あ、それなら話は早いですね。そうなんですよ~」と説明の手間が省けたことを、いや、子どもが自分で立ち上がったことをお母さんと共に喜んだ。

 

昔、転んで泣いている子どもを「だ、大丈夫!?」と慌てて助けてしまい、その子から「じぶんでたちたかったのに!」とメチャクチャ怒られたことがある。それ以来、私は子どもが転んでもすぐには助けず、しばらく見守るようにしている。

 

ただ、自分で立つ気などサラサラない子をいつまでも見守っていたら、今度は「ボ~ッとみてないではやくたすけろ!」と怒られるかもしれない。

 

 


 


事務局スタッフ“しげさん”による保育エッセイ♪

子どもや保護者との関わりにおいて大切なことやさまざまな保育の現場で感じたことを、あたたかくユーモラスな視点で綴っています。 

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