特定非営利活動法人バディチーム

【保育バカ一代】vol.22 AKシスターズ

3月は卒園シーズン。認可外の保育園の場合、卒園して小学校に上がる子はもちろん、幼稚園や公立保育園に転園する子も多い。

私が担任を務めた3歳児クラスのKちゃんも、4月から幼稚園に通うことになった。

3月31日、いよいよお別れのときが来た。Kちゃんの「せんせーさよーなら!」という元気なあいさつを聞いて、私の涙腺は崩壊した。そして「幼稚園に行っても元気でね」とウルウルしながら伝えると、Kちゃんのママがこう言った。

「あ、幼稚園は来週からなので、それまではここの一時保育のお世話になります」

私の涙を返してくれ。

 

前年の夏に途中入園してきたKちゃんは、パパが中国人でママが日本人だった。とっても無口でおとなしく、他の子が遊んでいるのを座ってジイ~ッと見ていることが多かった。日本語がわからなくて戸惑っているのか、それとも日本語がわかるので落ち着いているのか。私はKちゃんとどう関わるべきかをアレコレ考えた挙句、しばらく様子を見るという身も蓋も無い結論に至った。

 

ある日、いきなり「K~!」と呼び捨てにする声が聞こえた。同じクラスのAちゃんだ。姉御肌で面倒見がよく、春に中国から来たSちゃんが保育園に慣れたのも、Aちゃんの存在が大きい。そんなAちゃんは自分よりも背が低いKちゃんを「かわいい♪」と言って気に入り、それ以来Aちゃんは事あるごとに「K~!K~!」と呼んではKちゃんと一緒に行動するようになった。Kちゃんもまた、Aちゃんの影響を受けて日に日に活発になっていくのがわかった。

 

常にAちゃんがKちゃんをリードするので「KちゃんはAちゃんに振り回されているんじゃない?」と心配する先生もいた。確かにジャイアンとスネ夫のように見えなくもないが、私はそれでいいと思った。Aちゃんはふたり姉妹の次女で、Kちゃんはひとりっこだった。Aちゃんは妹ができたようで、Kちゃんはお姉ちゃんができたようで、お互いに嬉しかったのではないだろうか。

大人が過干渉するより、子ども同士のことはなるべく子ども同士に任せたい。

 

冒頭で述べたように、Kちゃんは翌年の春に幼稚園に転園した。そしてAちゃんは淋しくて元気がない……なんてことはなく、進級してますます元気な姉御へとパワーアップした。

ウルウルした私なんかよりも、よっぽどたくましい。

 


 


事務局スタッフ“しげさん”による保育エッセイ♪

子どもや保護者との関わりにおいて大切なことやさまざまな保育の現場で感じたことを、あたたかくユーモラスな視点で綴っています。 

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