特定非営利活動法人バディチーム

【イベントレポート】vol.1 地域住民が前線に立つ家庭訪問型支援の可能性 ― こども家庭庁・自治体・民間団体による公開ミーティング ―

2023年11月30日(木)、オンラインイベント「地域住民が前線に立つ家庭訪問型支援の可能性~こども家庭庁・自治体・民間団体による公開ミーティング」を開催しました。

 

来年度から始まる新制度「子育て世帯訪問支援事業」をテーマに、こども家庭庁の担当課長、現行制度である養育支援訪問事業を実施する足立区の担当課長、そして家庭訪問型の子育て支援を行う民間の3団体が一堂に会した本イベント。

全国から150名を超える自治体職員や支援従事者が参加し、熱い視線が注がれた当日のもようを2回にわたって開催レポートとしてお届けします。

 

※この記事は前編です。後編はこちらの記事をご覧ください。

 

※全編をご覧いただきたい方はこちらのアーカイブ動画をどうぞ!

 

 

■出演者(★…この記事で登場)

山口正行(★):こども家庭庁 成育局 成育環境課 課長

高橋徹:足立区こども支援センターげんき こども家庭支援課 課長

森田圭子(★):NPO法人ホームスタート・ジャパン 代表理事

寺出壽美子(★):NPO法人日本子どもソーシャルワーク協会 理事長

濱田壮摩:NPO法人バディチーム 理事

山口正行 こども家庭庁

子育て環境の変化と新制度「子育て世帯訪問支援事業」

 

私からは、「子育て環境の変化と訪問型子育て支援」ということで、なぜ今回の制度改正があったのかという背景についてお話しした方がみなさんの理解につながると思いますので、そこをまずお話をしたいと思います。

 

今、少子高齢化ということで、まさに少子化時代に突入しています。

人口減少というのは推計に多少のブレはありますが、そうは言っても今後、急激なペースで子どもが減っていく、人口が減っていくということはもう間違いないということになっています。

それが子育てにどういう影響を与えているのかということを考えなくてはいけないということになります。

 

そして子育てを考える上では、人口だけではなくて家族構成について考える必要があります。

現在、(単独世帯を含めない親族世帯のうち)だいたい85%ぐらいの家庭が核家族世帯です。そうすると子育てにおいては、おじいちゃん、おばあちゃんに頼れない家庭がほとんど一般的になっています。

 

それから、働き方についてです。

専業主婦世帯と共働き世帯の推移を見ると、約20年前に逆転が起こり、今、専業主婦世帯というのは非常に少数派になっています。つまり、いま親になっている若い人たちというのは、自身が共働き世帯のもとで育った子どもたちが親になって、共働きをしているということになります。共働きがかなり一般的になっている中で、仕事と子育ての両立というのが問題になってきます。

 

そしてさらに、子どもと触れ合う経験についてです。

「赤ちゃんをあやしたり、小さな子の面倒を見たりしたことがありますか?」という質問を高校生以上の子どもに聞いた調査があります。これによると、「まったくない」という答えが33.8%あります。3分の1以上の高校生以上の子どもたちが、「まったくない」と答えているわけです。

 

 

これはなぜかというと、そもそも少子化が進んできていますので、きょうだいがいません。きょうだいがいないということは、甥っ子や姪っ子も少なくなっています。

ご参加のみなさんは子どもの頃に甥っ子や姪っ子と遊んだ経験のある方が多いのではないかと思いますが、今の子どもたちというのは、そういう経験がないわけです。

 

そうすると、自分の子どもを持って初めて小さな子どもに接する。オムツを変えたことがないのはもちろんのこと、そもそも抱っこができない、あやすというのがどういうことなのかわからないということが起きてくるわけです。

現場で支援に当たられている方は、そうした親御さんがいることを実感されていると思います。

それは別にその人が悪いわけではなくて、社会環境や少子化の影響でそういう経験がなかったからそうなっているということです。

 

カツオはヤングケアラーだった…?

 

その時に、かの有名なサザエさんの磯野家を例に考えてみたいと思います。

 

サザエさんとカツオ君というのは、親子関係ではなくてきょうだいです。

サザエさんとカツオ君とワカメちゃんはきょうだいで、サザエさんとマスオさんとの間にタラちゃんという3歳の赤ちゃんがいます。そしてフネさんというおばあちゃんと波平さんというおじいちゃんと、7人家族の3世代で同居しています。

 

時々、イクラちゃんがお家に来たり、ノリスケさんが遊びに来たりします。これは実は親戚関係なので、おじさんや甥っ子が家に来て、一緒に遊んでいるということになります。

 

サザエさんというのは結構おっちょこちょいで、主題歌だと、例えばお魚くわえたドラネコを追いかけて裸足でかけて行ってしまったり、買い物しようと出かけたけれども財布を忘れてしまうという、今で言う発達障害のグレーゾーンのような感じの特性を持った人です。それが非常に魅力的に描かれています。

 

そうするとカツオ君は、今で言うと発達障害のお姉ちゃんの子ども(タラちゃん)の面倒を見るヤングケアラーかもしれないのですが、それで子どもらしい生活ができていないかというと、そんなことは全くなくて、子どもらしい生活をしています。

 

今は、こうはいかないわけです。

3世代で住んでいる例は少ないですし、きょうだいの数も少ない。そういった環境で暮らしているからこそヤングケアラーという状況が喫緊の課題になっているという、そういう背景もあるということです。

 

つまり、これまで家族や親戚あるいは地域など、そういうところで支えられていた子育てというのが、今、非常に孤立化しやすい傾向にあります。

それは親御さんが悪いのではなくて、社会環境や人口構成が変わったことによるものであって、別に今の親御さんの子育ての力が落ちているわけではない点を、まず押さえる必要があると思います。

 

虐待リスクの「イエローゾーン」が増加

 

地域の中での子どもを通じた付き合いがどうなったかを調べた調査があります。

2003年と2014年の比較ですが、「子育ての悩みを相談できる人がいる」「子どもを預けられる人がいる」「子どもを叱ってくれる人がいる」と答えた人の割合がいずれも、この10年で見事なまでに半分になってしまっています。

地域の中で子どもを育てるという、かつてはごく当たり前だったことが、当たり前にできなくなりつつあるということです。

 

これはそうした環境を概念上ざっと整理したものです。

三角形で書いてありますけれども、下に行くほど虐待のリスクが高い環境で、そういう家庭に応じた支援にどのようなものがあるのかというのが、右側に示しています。

上は虐待リスクが低くて、比較的安全な家庭環境です。青信号という感じでしょうか。

比較的安全で健康な家庭については、例えば自分で子育て広場にお出かけをして、そこで地域の他の親御さん方と触れ合ったり、そういう形で子育てをしているわけです。

 

逆に下の虐待リスクが高い、いわば赤信号のご家庭については、児童相談所が介入をします。

場合によっては親子を分離して、子どもは児童養護施設や里親さんに預けましょう、ということをやっていくわけです。

 

ところが、中間のイエローゾーン。虐待が起きているとまでは言えないけれども、自分でなかなか出かけてもいけない、あるいは仕事が忙しくてなかなか子育てとの両立が大変だという家庭が、先ほど言ったような環境の変化によって、実はどんどん大きくなっているのではないかと感じられます。

 

つまり、虐待というのは何か特別な世帯に起こる特別な出来事ではなくて、どこの社会でも今、起こり得ることと考えられます。みんなギリギリの状態で子育てをしていますので、何か一歩つまずくと本当に不適切な養育になりかねません。

 

そういうリスクがあるにもかかわらず、そういう世帯に対する支援というのが、必ずしも今まで十分に準備できてこなかったのではないかと考えているわけです。

少子高齢化の進展や核家族化、共働きの増加など、社会構造が変わってきました。そして、価値観の変化によって地域のつながりも希薄化しています。

したがって、地域や家族で子育てを支えるという力が弱くなっています。地縁・血縁による支援が弱体化した、ともいえると思います。

 

それに加えてコロナが3年続きました。このコロナというのは、より厳しい家庭により強い影響が出たおそれがあります。ただでさえ孤立・孤独の可能性があるご家庭が、コロナによってさらに外に出にくくなって、ますます困窮や孤立をした、そういう可能性があるということです。

 

そういった身近な地域で子育てを支える必要性が以前にも増して増加をしています。特にイエローゾーンにどうアプローチしていくか、ということです。これが大きな課題になってきているということだと思います。

 

繰り返しになりますけれども、イエローゾーンが増えてきたのは、別にお母さん方の子育てが悪いわけではなくて、社会構造や人口構造が変わったせいである、ということです。

 

児童福祉法の改正と新制度

 

そこで、児童福祉法の改正が行われました。多くは令和6年4月から新しい制度がスタートします。

 

これまで子育て支援はどちらかというと保育をメインにやってきたところがあって、待機児童の問題が長らくあったわけです。

今、それがやや解消に向かいつつある中で、保育以外のサービスがあまりないのではないかということで、今回の法改正の中で新しい支援事業がいくつも作られたということになります。

 

その中の1つとして、「子育て世帯訪問支援事業」が始まります。

 

来年4月から市町村の努力義務になります。

家庭に訪問をして、子育てに関する情報の提供や助言、家事養育に関する援助を行う事業です。例えば、お料理をしたり、お掃除をしたり、現場によっては子どもの送迎も行います。

 

この事業については、安心こども基金を活用した補正予算の事業として、いくつかの市町村では手を挙げていただいて、すでにモデル事業という形で取り組んでいただいています。

 

対象者は、要保護・要支援児童、そして特定妊婦、そしてこれらに該当するおそれがある家庭。その他、ヤングケアラーも含めて市町村が認める家庭ということで、市町村の判断で幅広く実施ができるような形になっています。

 

訪問支援員の要件は有資格者のほか、研修を受けた者ということになっています。

 

財政支援の考え方は、これは来年度予算に絡むものですから、まだ具体的にお示しができないんですが、安心こども基金でやっているモデル事業の仕組み、この補助と同水準を想定しつつ、研修受講を必須とすることから、研修費用についても補助することを検討します。

また事務費と管理費として1事業所あたり564,000円をつけているということになります。こうした同水準を想定しながら、予算編成過程で検討を行うということが、今の状況になっています。

 

今も養育支援訪問事業、利用者支援事業、地域子育て支援拠点事業、産前・産後サポート事業など、様々な事業を組み合わせながら訪問支援をやっていただいているというのが現状であると思っています。

 

来年度、新しい事業が創設されて、その中でさらに訪問支援の充実を図っていくことが必要であると考えています。

そしてそれは先ほど申し上げたようなイエローゾーンに対して、特に必要性が高いということで新しく設けられた支援になります。

森田圭子 NPO法人ホームスタート・ジャパン

全国32都道府県119団体 ホームスタートの取組み

 

ホームスタートというのは、「すべての子どもに幸せなスタートを」というスローガンで乳幼児・未就学児のいる家庭に地域の子育て経験のある人が週に1回2時間ぐらい継続的に訪問して、傾聴と協働で一緒に子育てをするというボランティア活動です。

孤立化を防止し、親の心の安定と子育て意欲の向上をサポートしています。

 

親の代行、つまり何かを代わりにするというようなものは含まれていませんが、家事も育児も一緒の場面に一緒に行ってサポートするというのが大きな特徴です。

 

申し込まれる方で最も多いニーズは孤立感の解消です。2番目は子どもの成長・発達を促す機会を作りたいというものです。

どう一緒に遊んだらいいのか、どうしたらいいのかがよくわからず、自信がないのです。

 

終わった後に評価をすると、孤立感は98%、全体を平均しても9割を超える割合でニーズが改善したと利用者ご自身がおっしゃっているという状況が、ホームスタートの効果です。

ホームスタートの何より特徴の1番目は、今回の「地域住民が前線に立つ」というテーマの通り、ボランティアです。子育て経験のある市民が応援します。

 

 

私たちのホームスタートの支援原則の中に、一番大きなものとしてフレンドシップというものがあります。フレンドシップで家族を支えて、寄り添います。

そのフレンドシップはやはり気持ちを元気にします。なかなか誰に相談していいかわからない、親は遠いし、きょうだいも少ないという中で、一緒に傾聴と協働をします。

 

ボランティアは子育て経験がありますけれども、決してパーフェクトに教えることができるわけではありません。傾聴と協働に活動の焦点を絞って、一緒に調べたり一緒にオロオロしたり、そういったことも誰かが一緒にいれば心強いし、なんとかやっていけるという気持ちになってもらいます。

その強みというのがホームスタートの特徴だと思います。

 

行政の職員や専門家の支援は安心感がある半面、親が防衛的になる場合もあるわけですが、ボランティアは、一緒にオロオロします。それが信条です。

傾聴で気持ちを元気にすることに焦点化するというのがこのボランティア支援の特徴で、その敷居の低さが、うまく地域の中で専門家と共存して役割を分けて、間口を広げて応援できる特徴になっています。

 

また利用者負担が無料で、経済的に余裕がない家庭も利用できることも大きな特徴の一つです。

 

非専門家による訪問を支える仕組み

 

このように、いわば素人が訪問することで、不安やトラブルを想定して、安心安全な仕組みで支えていることがもう一つの特徴です。

 

ホームスタートは、イギリス生まれの仕組みです。

この訪問支援活動全般をコーディネートするオーガナイザーという役割が存在しています。オーガナイザーは普段の訪問も担いますし、支援者の養成も担いますが、そのオーガナイザーを下支えする体制もこのホームスタートの中にあります。

困難なケースに対応するためのスキルアップの研修や、相談しあうことのできる体制が各地域のオーガナイザーを下支えしています。

 

 

また、利用者参加を確保するニーズ把握と、評価を行う訪問マネジメントの方法というのがきちんと用意されています。

独自ツールが存在しており、アセスメントをし、中間評価をし、最終評価をするというわかりやすい流れに、利用者自身も参加できます。利用者自身もそれを使って自分の変化を意識しながら意欲を取り戻していきます。

 

ホームビジターと呼ばれるボランティアさんの養成講座というのは全国の共通の内容がありまして、支援原則、それから守秘義務のような倫理的なこと、傾聴や実務などを、参加費無料で研修を行っています。

ホームビジターになられた方々の不安みたいなものもあるわけですが、ママも子どもも楽しみに待っていてくれて、そしてオーガナイザーにその都度相談できるので、「楽しい」「やりがいがあります」というような話をされています。全国には3500人のボランティアさんがいらっしゃいます。

 

今は32都道府県119地域団体がホームスタートを実施しています。ホームスタートは各地域に根ざした団体がそれぞれこの仕組みを使って実施しており、ホームスタート・ジャパンという全国組織が、この立ち上げや仕組みの利用についてサポートします。

 

施策のすきまに対する支援 国の補助事業の活用も

 

もう一つの特徴としては、施策の隙間に支援できるということです。

 

地域子育て支援拠点には、いろいろな事情で出て来られない方がいます。

赤ちゃん全戸訪問で発見された気になる家庭には、その後の継続訪問がなかなかできません。

養育支援訪問事業は、これからより専門的になっていくわけですけれども、そういったところでは十分に寄り添い、ただ一緒にいるというようなことがなかなか専門家では手が回りません。

またファミサポ(ファミリーサポート)というのは、代わりに預かります。保育園もそうですが、それではなかなか親を支えるというようなことができません。それから有料支援だとなかなか利用できない家族も増えた、ということもあります。

 

先ほど山口課長のお話にもありましたが、孤立している高ストレスの家庭は増えています。このイエローやグレーと言われるところが非常に増えているわけですが、こういう家族の孤立を支えることが、問題が深刻化する前の支援です。親のエンパワメント、子育てに向き合う気持ちを支えるということができる、この敷居の低い傾聴の支援がホームスタートということです。

 

国の補助事業の活用については、利用者支援事業(基本型)の地域連携の部分で委託を受けたり、地域子育て支援拠点事業の2種類の加算枠(市町村独自事業/地域支援)で実施されている地域や、産前産後サポート事業として実施されている地域もあります。

そして、今まで養育支援訪問事業(育児・家事援助)で事業化されていた地域では、次年度は「子育て世帯訪問支援事業」に移行し、利用者負担分を市町村がカバーするような形で制度設計をしておられるところがあります。

 

 

孤立が深まる今、非常に問い合わせも多く、やはり孤立したその子育てを何とか地域で支えたいという思いを共に実現していきたいと思います。

寺出壽美子 NPO法人日本子どもソーシャルワーク協会

現行制度「養育支援訪問事業」の全国調査から

 

私どもの日本子どもソーシャルワーク協会は、20年間、養育支援訪問事業を実施しており、今年度は、養育支援訪問事業の育児・家事援助について全国調査を実施しております。

人口5万人以上の自治体に対してアンケート調査を実施し、208件の回答を得ました(回収率43%)。

 

その仮集計の結果ですが、現在は利用者負担なしという自治体が62%ありました。

来年度から「子育て世帯訪問支援事業」において、もし利用者負担が導入された場合には、支援することのできる家庭が減るのではないかと懸念している自治体が80%ありました。

 

また、子どもが何歳まで訪問しているかということでは、18歳未満までという回答が47%でした。

ただ実は、2021年度に東京都内の自治体に同じく養育支援訪問事業のインタビュー調査を実施した時にもよく聞かれたのが、実際には中学生には訪問していないということです。

対象は18歳までとしていますが、実質的には幼稚園まで、あるいは小学生までというところも多くありました。

 

それから利用期間については、1年未満という回答が76%もありました。

 

(訪問支援員むけの)研修に関しては、行政が研修を実施しているとの回答は29%しかありませんでした。

研修の内容については、「事業の意義・目的」が34%で最も多い一方、逆に「子どもの心の回復と支援」というテーマは、6%しかありませんでした。

それから、養育支援訪問事業の育児・家事援助の実施にあたってどういう問題点があり、それはどんな改善をするといいと思いますか、という質問です。

これに対しては、支援者を確保する仕組みが62%、また国や都道府県の補助割合を増やしてほしいが44%です。また、事業実施におけるマニュアルを作成したい、あるいはしてほしいというのが36%です。行政と民間での情報交流があるといいというのが33%。それから、コーディネーターや訪問支援員の質の向上をという回答が31%ありました。

 

そして事業そのものへの評価については、「極めて有効である」あるいは「有効である」を合わせて、82%という高い数値が得られています。

 

長期間の訪問支援による子どもの心の回復

 

今、子どもの自殺や生きづらさを抱えた子どもたちが増加していることが問題になっています。

今年度の国立成育医療センターの全国調査では、小中学生の約10%にうつ症状があり、10%以上の子どもたちが直近1週間に死にたいという気持ちを感じたり、実際に自傷行為で自分の身体を傷つけたという結果が出ています。

 

私どもの活動でも育児・家事援助を通して20年間、子どもと関わっております。

その中で、生きづらさを抱えた子どもに対して、同じ訪問支援員が、例えば保育園に送迎したり食事を作ったり一緒に片付けをしたりして、子どもを支えて無条件に受けとめるという「繰り返しの受けとめられ体験」によって、少しずつ子どもの内部に生きていく基盤が作られ、やがて安定して生きていくことができると実感しています。

 

 

子ども時代に受けた心の傷は子ども時代のうちに治しておく必要があります。

ただしそのためには、実はとても年数がかかるということがわかっています。

 

2年前の東京都内のインタビュー調査で8つの自治体に成功事例を聞きに伺いましたが、心の回復が得られたという事例は、5年以上の訪問支援が継続した結果でした。

イギリスの調査結果でも、苦しい中で生きていた子どもの心の回復には、長い年月を要したという調査結果が出ています。

 

現行の養育支援訪問事業(育児・家事援助)において、現在は1年未満しか支援を実施していないという自治体が76%という結果でした。来年度からの「子育て世帯訪問支援事業」ではそれを逆転して、1年以上支援継続して訪問できる自治体が76%になってほしいと思っています。

 

また、国や都道府県の補助割合が増加すること、そして研修を充実させることが必要です。

 

今は行政が29%しか研修を実施していないという、その割合を上げることだけではなくて、研修内容そのものを見直す必要があります。

「子どもの心の回復」という点に力を入れていただき、訪問支援員がそれにもとづいて訪問することで、大きな差が出るのではないかと考えます。

 

ーーーーーー

 

→ 後編に続きます!

 

※全編をご覧いただきたい方はこちらのアーカイブ動画をどうぞ!

 

 

※このイベントは日本財団より助成を受け、2023年度「訪問型養育支援強化事業」の一環として開催されました。
 

 

 

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